【栄養療法の概要】歯周病と栄養の関係

                                       


こんにちは、歯科医師の藏前です。
皆様に知って頂きたい分子整合栄養医学を簡単にお伝えしています。
まずは栄養療法の概要と、歯周病と栄養の関係のお話をします。

栄養療法の概要と、歯周病と栄養の関係

あなたや患者さんのその不調、もしかすると普段何気なく口にしている食べ物かもしれません。
私たちの身体は食べたものが化学反応を起こして身体を作っていることはご存知ですか?

こらから私がお話する分子整合栄養医学(オーソモレキュラー療法)は、20世紀に置けるもっとも重要な化学者・分子生物化学の父、等と称されノーベル賞を2回受賞されたライナス・ポーリング博士によって提唱されました。

分子整合栄養医学とは、体内の分子を本来あるべき正常な状態に整え、不足している栄養素を至適量補給することにより、自らの自然治癒力を高め病気の進行を防ぎ、症状の改善さらに病気の予防を目的とします。

今回は初めての記事を書かせて頂くので、歯科医療と関係する簡単なお話を致します。

歯周病と栄養の関係

歯科医院に来られる方の多くは虫歯の治療や歯周病によって起きる炎症のために来られます。

虫歯にならない方法や歯周病にならないようにケアしていくのが予防という位置になるのですが、この予防法、実は身体のために必要な栄養を補うことでかなり改善されることをご存じでしょうか?

自分の持っている免疫力や治癒力を向上してやるという事をすると、悪くなったものも改善できるということです。

例えば、40代を過ぎると多くの方が歯周病に羅漢しているといわれていますが、この歯周病も口腔内メインテナンスや歯周病菌を殺す薬剤を用いるなど各医院で様々な工夫をされていると思います。

強い抗菌薬や抗生物質は腸内環境を乱すといわれ、一回乱れてしまった腸内環境は下痢や便秘、長期になると腸内の粘膜も破壊していきます。

破壊された粘膜から吸収されるべき栄養素が分解不十分のまま体内に入りアレルギー疾患や自己免疫疾患を引き起こします。

もしそういったお薬を処方する場合には、必ずプロバイオティクス(乳酸菌等)を同時にお渡しします。口腔内の最近も減るし腸内環境にもよいからです。

人が元気で健康であるのは腸からといわれますので、同じ消化器官を扱う歯科医療従事者としては無視できないところです。

歯周病によって起きる炎症や歯茎からの出血への栄養アプローチ

そして歯周病によって起きる炎症や歯茎からの出血、これにも栄養アプローチは有効です.例えば炎症を抑えるには日々の脂質や脂肪酸の摂取をよくすることです。

今回は細かい機序は省きますが、ω3(オメガ3)系の油がよいのでDHAやEPA豊富な青魚や海のものを意識して食べたりサプリメントを服用したりします。

ビタミンCも2000mg/day以上(オーソモレキュラー的に)をとって頂いたりします。
歯茎の出血やターンオーバーを促進させるにはコラーゲンが必要です。

コラーゲンは何でできているかご存じですか?

コラーゲンは、タンパク質と鉄分とビタミンCが主な原料になります。
歯茎だけでなく頭の先から足の先まで、内臓も皮膚もタンパク質でできています。

意識してコラーゲンが作れるようにしっかりと肉や卵や魚をとって頂き、赤身のお肉やマグロの赤い身には沢山鉄分が入っていますのでしっかりと意識して食べてもらいます。
胃がもたれる、重い、などと感じる方は、年のせいではありません。

胃のピロリ菌が原因だったり、消化できない状態にありますから、胃腸科で早いうちに見てもらうことをお勧めしています。
肉など食べるときに酸っぱいもの(酢の物やレモンを搾って)と一生に食べると消化が楽になります。

ビタミンCはサプリメントが多いです。
このような食事に移行されると元気になり、歯茎の状態も自然に回復傾向を見せてきます。

しっかり食べても腸内環境が悪いとせっかくの栄養も吸収されず出て行ってしまうので、このあたりのカウンセリングは非常に重要になります。

これからの歯科医療は、身体や栄養の知識を知っておくことで健康寿命と密接に関係してくる分野だと思っています。
医師との連携も欠かせません。

まずは簡単な知識を身につけておきましょう。